ネコと一緒に休日を

- 責任持って面倒見ます -


「…連れて帰ってもいいかな?」

そう言ってニッコリと笑う岩瀬を2人は観察するように見つめ…

小さな男の子の方がコックリと頷いて

「いいよ…でも… また、その子達と遊んでもいい…?」

と涙目で聞いてきた。が、大きな男の子の方が

「失礼だよ!そんなの…兄さんだってダメだって言うよ!」

そう言う自分の目も涙ぐんでいる…。

『よっぽどネコが好きなんだな…』

岩瀬はそう思い

「いいよ。きっとこいつ等も君たちと一緒に遊びたいんじゃないかな?」

微笑んで2人を交互に見る。

すると、2人はパッと笑顔になり

「ホント!?…いいの?」

と、凄く嬉しそうだ。つられて岩瀬もニコニコする。

そして、2人はぺコンと頭を下げ

「お兄さん。僕は石川晋です。こっちは弟の登です。ありがとうございます。」

と、きちんとした挨拶をしてくれた。

岩瀬も2人に向かって自己紹介をする。

「俺は岩瀬基寿です。晋君に登君…こちらこそよろしくね。」

と、握手をしようと手を差し出す

2人はおずおずという感じで岩瀬の手を握り返してきた。

「僕たちはそこのマンションに住んでいます。」

そう言って指したのは公園の南に位置するマンションだった。

俺が住んでいるマンションと同じだった…。

「俺もそこのマンションに住んでるんだけど…」

俺が苦笑しながら、そう告げると2人は驚いたようで。

「本当ですか?」

「ああ。俺は3階に住んでるんだけど…。」

「僕たちも3階です…。」

重なる偶然に暫し3人で無言になる。そして。

「そっか。じゃあ、こいつ等も遊びに行きやすいな。」

と、話していると…

「晋?…登?そこでなにしてるんだ?」

涼やかな声が降ってきた…

3人は声の主を振り返り―

「兄さん!」「悠兄ちゃん!!」

2人の子供は嬉しそうに駆け出していく。

一人状況の分からない岩瀬だけがボンヤリと近づいてくる人影を見ていた。

そして…

「2人ともなにしてたんだ?」

「兄さん…あのね。この人-岩瀬さんが、子猫たちを飼ってくれるんだって!」

「でね、これからも、一緒に遊んでイイよって!!」

同時に掛けられる言葉にその人は微笑んで…。

「スミマセン。ご迷惑をお掛けしたようで。兄の石川悠です。」

と、礼儀正しく挨拶された。

その、姿に見惚れていた岩瀬は…。慌てて自己紹介をする

「岩瀬基寿です。いえ…。こちらこそ、ご迷惑では…?」

岩瀬の心配そうな声に石川は少し驚いたようで…。小さく笑って答える。

「いえ…。全然…。ですが、本当に3匹も…?」

石川は岩瀬の抱えている箱をのぞいてそう聞いてきた。

箱の中では子猫たちが眠そうに丸くなっている。

「…大変ですか…?」

「…それなりには。」

苦笑気味な石川の答えに岩瀬は困り顔になる。

「岩瀬さん。一時の感情で子猫たちを飼うのは…。」

岩瀬の困り顔に気付いた石川は言外に『下手な同情では飼うな。』と言っている。

確かに。責任もなく子猫たちを飼うのは簡単だが…。

『ここで、出会ったのも何かの“縁”だろうし…』

「…責任もって面倒見ます。」

そう言って、岩瀬は石川を見た。 

すると、石川は綺麗に微笑んで―

「お願いします。」

と、頭を下げたのだった。
                                  続く。

   
***************************************************************************************************


第二回です。
子供たちの正体は予想通りでしたか?
つか。バレバレだってば(笑)


【創作者さんに50の未満の御題】
- 拾い愛10の御題より -

06.02.21


MENU  NEXT